Microsoft Teams のコラボレーティブ アプリから Windows 365 まで――Inspire で発表した Microsoft 365 の新機能をご紹介します
この投稿は Jared Spataro (Microsoft 365 担当コーポレート バイス プレジデント) と Alysa Taylor (インダストリー、アプリ、データ マーケティング担当コーポレート バイス プレジデント) の共同執筆です。
1 日あたりのアクティブ ユーザー数 1.45 億 (増加を続けています) の Microsoft Teams は、人々が一日の仕事を開始してスムーズに進める場となっています。この 18 か月あまりの間に、Teams は会議、チャット、通話、コラボレーションのツールとして頼りにされるようになり、ビジネス プロセス自動化のための使用も増えています。きわめて現実的な形で、Teams は新しい働き方の世界の新しいフロントエンドになりました。しかし、柔軟な働き方ができるように人々をエンパワーメントするのは簡単ではありません。どの組織も、すべての人、場所、プロセスを包含する新しいオペレーティング モデルを作る必要があります。
今年の Inspire で、私たちは次の 3 つのイノベーションを発表しました。そのねらいは、新しいハイブリッド ワークの世界のための新しいカテゴリを Microsoft Cloud で作ることです。
- 新しい Dynamics 365 + Microsoft Teams エクスペリエンスはコラボレーティブ アプリのパワーを実証するものです。この機能は追加のライセンス費用なしで使用できます。
- Windows 365 で PC をクラウドに移行します。ユーザーは特定のデバイス 1 台に限定されることなく、自分のコンテンツ、アプリケーション、データ、設定に接続できるようになります。
- Microsoft Viva との新しいパートナー統合で、従業員エクスペリエンスがさらに拡大します。
Microsoft 365 におけるその他のイノベーションも発表します。たとえば、新しいセキュリティ機能、マーケットプレースでの新しいアプリ収益化機能、および Microsoft 365 Lighthouse です。働き方の世界は変化していますが、これらの発表がパートナーの皆様とお客様に新しい機会をもたらします。さっそく見てみましょう。
コラボレーティブ アプリ: Teams の中の Dynamics 365 で仕事のフローをアクティブ化
ハイブリッド ワークには、新しいクラスのアプリが必要です。仕事を遂行するあらゆる場所、つまりチャット、チャネル、会議の中で、リッチな方法で前面に現れるアプリです。このようなアプリは、人とビジネス プロセスの融合であり、私たちはこれを "コラボレーティブ アプリ" と呼んでいます。 これはパートナーの皆様にとっても、Teams の 1 日あたり 1.45 億人のアクティブ ユーザーとつながって自らの "獲得可能な最大市場規模" (TAM) を拡大するという、途方もない機会となります。
Dynamics 365 と Teams が一体となって、パワフルな新しい形で組織の全員がシームレスにアイデアの交換と捕捉を、仕事の流れの中で直接できるようになります。本日発表するのは、Dynamics 365 と Teams 双方の長所をひとつにまとめる新しいコラボレーティブ アプリです。また、この種の統合を組織が敬遠する原因となっていたライセンスの負担も軽減します。つまりこれらのエクスペリエンスは Teams の中でどのユーザーも、追加費用なしで利用することができます。
他のどのテクノロジ ベンダーも、この種の統合と組織全体でのアクセスのしやすさを、複数のソフトウェア ライセンスへの支払い不要で実現できてはいません。
Dynamics 365 のレコードの閲覧と編集を直接 Teams ワークフローの中で
Dynamics 365 ユーザーは、組織内の誰でも招待して顧客レコードの閲覧と共同作業を Teams のチャットまたはチャネルのフローの中で直接できるようになりました。適切な人が次の最善のアクションを取ることが、より速く効率的にできるようになります。複数のアプリやデータ ソースを切り替える必要はありません。販売担当者の場合は、たとえば営業案件、顧客履歴、顧客リレーションシップの健全性、主要連絡先などの詳細情報を共有できます。顧客サービス担当者の場合は、顧客ケース レコードの共有、トラブルシューティング ステップの入手、フォローアップ タスクの追跡などが考えられます。
Teams 会議を予定に追加してノートを記録
Dynamics 365 ユーザーがアポイントメントの予定を作成するときに Teams 会議を追加できるようになりました。これで、Teams 通話中に主要顧客情報にアクセスできるようになります。また、ノートの記録を直接 Teams 通話で行うこともできます。このノートは自動的に Dynamics 365 レコードのタイムラインの中に保存されます。適切な許可を持つユーザーだけがこのデータにアクセスできるので、最も適切な従業員だけが顧客レコードの閲覧、操作、共有を行うようにするのに役立ちます。
常にレコードの最新情報を知るための自動化通知とコネクテッド ワークフロー
レコードでの共同作業を行う従業員が増えるにつれて重要になるのは、変更が行われると同時に利害関係者に伝えることです。自動通知を利用すると、利害関係者が更新の情報をすぐに受け取ることができます。ユーザーはどのチャットやチャネルを通してどの通知を送るかを選択でき、通知の頻度も指定できます。加えて、通知の種類に基づいて特定のアダプティブ カードを送信する機能もあり、さらにつながった (コネクテッド) ワークフローが実現します。
障壁を解消するコラボレーティブ アプリをパートナーから
Teams と Dynamics 365 との新しい統合型エクスペリエンスは、コラボレーティブ アプリの一例にすぎません。本日、Atlassian Confluence、SAP Sales Cloud、Salesforce、ServiceNow、Workday をはじめとする独立系ソフトウェア ベンダー (ISV) パートナーからの多数の新しいコラボレーティブ アプリも発表しました。これらの統合はどれも、構造化ビジネス プロセスとデータの両方をコラボレーション型の仕事に取り込むものです。
エンタープライズ企業全体の Teams アプリ購入の管理をさらに簡単に
ISV は間もなく、自社のアプリを直接 Teams の中で販売することもできるようになります。新しい経済的機会が得られ、Teams IT 管理者にとってはエクスペリエンスがシンプルになり、組織用のアプリやサブスクリプションを Teams 管理センターで直接購入することができます。
Windows 365 クラウド PC: ハイブリッドな世界のためのハイブリッド Windows
この 1 年間で私たちは、人々がつながり、生産性を発揮し、安全を保ちながら仕事、創造、学習を進めていくために PC が中心的役割を果たしていることを実感しました。先月発表された Windows 11 は、オペレーティング システムからストアまでのすべてを再想像して真の選択肢をユーザーに提供するものです。
本日、Windows 365 を発表しました。Windows 10 または Windows 11 (本年中に提供開始予定) を新しい形で体験するためのクラウド サービスです。インターンと契約業者からソフトウェア開発者と工業デザイナーに至るまで、Windows 365 はユーザーが自分のアプリ、データ、設定にどのデバイスとどのエンドポイントからでもつながるための媒介役となります。これによって、クラウド PC という新しいカテゴリが誕生します。これはクラウドのパワーとデバイスの能力を組み合わせて、一人一人に合わせた完全な Windows エクスペリエンスを、場所を問わず実現するものです。
自分のクラウド PC にどのデバイスからでもログオン
インスタントオン ブートで、ユーザーは自分のアプリケーション、ツール、データ、設定のすべてをクラウドから、どのデバイスにでもストリーミングできます。つまり現在お使いの Windows 10 でも、本年中に提供開始予定の Windows 11 でも、常に同じ Windows エクスペリエンスをどのデバイスでも利用できます。クラウド PC の状態は、ユーザーがデバイスを切り替えても変わらないため、前回終了したところからすぐに再開できます。
クラウド PC のプロビジョニングは数分で、仮想化の経験不要
クラウド PC のプロビジョニングは、Microsoft エンドポイント マネージャーのダッシュボードから行うことができます。プロビジョニング ポリシーを使用して、複数のクラウド PC を数分でプロビジョニングできます。このポリシーで Windows のバージョンを指定し、特定のユーザーやグループを割り当てます。
Windows 365 はエンタープライズ企業だけのものではありません。規模を問わず、あらゆる企業が利用できるように作られています。中小規模企業向けには、シンプルに使えるツールが用意されており、専任ではない管理者が自社のクラウド環境を選択して構成するのに役立ちます。誰もが確実に、適切な PC を選ぶ機会を手にしてクラウドのパワーをユーザーに利用させることができます。
どこでクラウド PC にアクセスする場合でも常に保護
Windows 365 はゼロ トラストの原則に基づいており、セキュリティが初めから組み込まれているので、今日の避けては通れないセキュリティの課題の解決に役立ちます。情報はデバイス上ではなくクラウドに保存されてセキュリティで保護されます。Windows 365 では多要素認証 (MFA) が活用されており、クラウド PC に対するログインやアクセスの試行が明示的に検証されます。これは、Microsoft Azure Active Directory (Azure AD) との統合によって実現しています。また、Microsoft エンドポイント マネージャーの中で MFA に Windows 365 専用の条件付きアクセス ポリシーを組み合わせて、ログインのリスクをセッションごとに即座に評価することができます。
Windows 365 なら、コラボレーティブ アプリ、Microsoft Teams、Dynamics 365、Power Platform、そして自分のセキュリティとアイデンティティ資格情報をいつでも、どこにでも持ち運ぶことができます。クラウド PC へのアクセスは自宅でも、オフィスでも、作業現場でも、移動中でも、どこからでも可能です。Windows 365 の一般提供開始は 2021 年 8 月 2 日を予定しています。詳しくは Wangui McKelvey による Microsoft 365 ブログをご覧ください。
Microsoft Viva: 従業員エクスペリエンスを仕事の流れの中で
Microsoft Viva は、人を中心に置いて会社の情報、コミュニケーション、ワークプレイス インサイト、知識、学習とつなぐことによって、その人が自身のベストを達成することを手助けします。Microsoft 365 上で動作する Viva は、既存のソリューションと連携するように設計された従業員エクスペリエンス プラットフォームであり、カスタマイズも簡単です。会社のポートフォリオに組み込んで文化の変革推進に役立てることができます。本日、新しいパートナーシップ、開発ツール、従業員エクスペリエンスについての調査などを発表しました。Microsoft Viva のモジュールである Viva ラーニング、Viva コネクション、Viva トピックのニュースをご覧ください。
従業員エクスペリエンスをさらに豊かにする新しい Viva パートナー統合
今年、多数の Viva パートナー統合を発表しました。コンテンツ プロバイダーから学習管理システム、そしてウェルビーイングのツールに至るまで多岐にわたっていますが、組織の従業員と、その人が毎日使うソリューションとを結び付けるのがこれらの統合で容易になります。本日、21 の新しいパートナー統合を発表しました。これには Workday、Qualtrics、ServiceNow が含まれています。本年発表済みのものに加えて、これらのパートナー統合も本年中に提供を開始する予定です。
開発したソリューションを Viva に取り込む
パートナーと開発者の皆様のソリューションを Viva に統合し、さらに拡大していくのに役立つ新しいツールも発表しました。本年中に提供開始予定の Viva コネクション API で、パートナーの皆様が Viva コネクションのダッシュボードと統合できるようになります。パートナーのツールを Viva のエクスペリエンスの中で見つけて利用するのが簡単になります。Viva ラーニング API (本年中にプレビュー開始予定) を使用すると、ラーニング プロバイダーからのコンテンツを、学習管理システムからの期限や割り当て済みコンテンツともに統合することができます。これで、そのコンテンツに Teams、Office.com、SharePoint で、および Bing での Microsoft Search でアクセスできます。
Viva を導入するお客様の勢いを目の当たりにして、嬉しく思っています。たとえば、Old Mutual は PwC とのコラボレーションで Viva を使用していますが、マネージャーが従業員の行動を理解するための力となっており、よりインクルーシブでつながった職場エクスペリエンスを促進しています。
パートナーの皆様が Teams と Viva のためのアプリを構築して販売するのに役立てていただけるように、Microsoft 365 アプリ構築の新しい特典も発表します。この特典に含まれるものとしては、Microsoft テクノロジへのアクセス、Microsoft のエキスパートとの 1 対 1 のコンサルティングでの設計のお手伝い、コラボレーティブ アプリケーションと従業員エクスペリエンス ソリューションの構築などがあります。新しい顧客を獲得するためのマーケティング リソースも利用できます。共同販売ステータス獲得もサポートしており、獲得すれば 15,000 を超える Microsoft のフィールド セラーを通して認知度を高めることができます。
ハイブリッド ワークが私たちの新常態となりつつありますが、従業員がエンゲージメントを実感し、バランスの取れた生活を送り、場所を問わず最高の状態になれるようにすることは、成功のために不可欠です。最近の調査によれば、クラス最高の従業員エクスペリエンス プログラムを採用している企業は同種の企業と比べて財務目標を超える可能性が 2.2 倍、従業員のエンゲージメントと定着の可能性が 5.1 倍となっています。詳しくは、Microsoft から Josh Bersin Academy への委託で作成されたレポートのエグゼクティブ サマリーをご覧ください。
デジタル トランスフォーメーションをセキュリティ保護する
パートナーの皆様がお客様との信頼を築くことができるように、新しいセキュリティ機能を導入します。これはインクルージョン、アクセシビリティ、持続可能性を優先するものです。ここではそのハイライトをご紹介します。全容については、Vasu Jakkal のブログをご覧ください。
お客様のセキュリティ態勢管理を大規模に行う
本日、Microsoft 365 Lighthouse がプレビューに移行したことを発表しました。これは、Microsoft 365 Business Premium を使用している中小規模企業を顧客とするマネージド サービス プロバイダーのためのソリューションです。顧客のデバイス、データ、ユーザーのセキュリティ保護を 1 つの場所で行うことができ、標準のセキュリティ構成テンプレートも用意されています。Microsoft 365 Lighthouse は特に、パートナーの皆様が脅威、変則的サインイン、デバイス コンプライアンスのアラートをすばやく特定して対処するための力となります。パートナーの皆様が規模を拡大するときの管理の複雑さを軽減するとともに、お客様間の標準化を推進することによって、先回り式でリスクを管理してお客様のセキュリティ態勢を向上させることができます。Microsoft 365 Lighthouse について詳しくは、本日の Tech Community ブログをご覧ください。
エンド カスタマーを詐欺から守る
Azure AD B2C (business-to-consumer) のお客様のアプリに対する ID とアクセスの管理をサポートしているパートナーのために、保護のスコープを拡大して詐欺活動も含めることとなりました。これは Dynamics 365 Fraud Protection と Azure AD B2C との統合によって実現します。
さらに多くのアプリケーションの可視性を獲得
Microsoft Cloud App Security のアプリ ガバナンス アドオン機能のプレビューを本日開始します。Microsoft Cloud App Security をお客様の代理で管理しているパートナーの皆様は、アプリ ガバナンスを使用して Microsoft 365 のアプリの監視、保護、ガバナンスを行い、リスクのある行動をすばやく特定し、アラートを発信し、防止することができます。
重要な地位にあるユーザーのリスク行動を特定する
インサイダー リスク管理の優先ユーザー グループ機能を拡張して、粒度の高いロールベースのアクセス制御 (RBAC) を追加しました。これも現在プレビュー中です。この機能によってアクセス許可が優先ユーザー グループに追加されるので、アラートとケースへのアクセスをグループ全体ではなく特定の個人だけに限定できます。
規制関連のアセスメントを固有の要件に合わせてカスタマイズ
Microsoft 以外のクラウドのための新しいユニバーサル規制テンプレートがコンプライアンス マネージャーに追加され、パートナーの皆様が 300 種を超えるテンプレートを活用できるようになりました。さまざまなクラウドとアプリでのお客様のコンプライアンス態勢を管理するのに利用できます。
働き方の未来
この途方もない課題の時代から抜けだそうとしている今、私たちは、柔軟な働き方という未来に向けて世界中の人々の力になれると楽観的に考えています。私たちが向かおうとしている時代では、人々が子供たちと朝食を取りながら、出席できなかった会議の内容をすばやく確認することができます。組織はその規模にかかわらず、たとえば地元密着の自転車店でも巨大な多国籍企業でも、クラウドのパワーをフルに、どこからでも活用できます。そして、働く人それぞれが、インクルージョンとエンゲージメントを実感します。職場に出勤するか、リモート ワークか、その両方の組み合わせかにかかわらず。